開発秘話も続々!? DS『世界樹の迷宮II』ディレクター小森氏に聞く! vol.004闘え!!ゲー脳人
世界樹の迷宮〜諸王の聖杯〜
昨年1月に発売されて大ヒットを飛ばしたアトラスのRPG、DS『世界樹の迷宮』。その続編であるDS『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯』が、いよいよ2008年2月21日に登場する。迷宮という名の広大なダンジョンを冒険し、敵と戦いつつ、下画面に自分で自由にマップを描き込んでいくシステムは、懐かしくも新しさを感じさせてくれるのだ。今回はその注目タイトルのディレクターを務める、アトラスの小森成雄氏に直撃!
ファンならずとも興味深い、開発の裏側なんかの話題も次々に飛び出した。その模様をお伝えしよう。
世界樹の迷宮〜諸王の聖杯〜
『世界樹の迷宮』の魅力とは
「世界樹の迷宮」をつくるにあたってコアユーザー以外が数多く存在するDSというハードで、アトラスならではのRPGの本質的なものを楽しめるゲームを作れないかという話になったんです。また最近ではPS3をはじめとする次世代機が出てきて、RPGそのものがコストのかかる方向に進んできている傾向があります。それが「良い悪い」ということではないんですけど、自分たちはあまりコストをかけられなくって(笑)。そこで本質的なものだけを抽出して、余計な部分をそぎ落としていけば作れるんじゃないかと考えたんです。「昔風」とでも言いましょうか。僕らが昔遊んだクラシックなもの…例えば『ウィザードリィ』や『ドラクエ1』なんかもそうですが、あの頃に僕らが体験した「楽しかった」と感じる部分を、DSという「今」のハードに置き換えて作ることはできないかと思って作ったところがあります。 本作でいえば手描きマップが最大の特徴でして、僕らが子どもの頃はあの作業を方眼紙を使ってやってました。ただ、それを今の子どもたちに方眼紙を使って描いて、と言っても誰もやらないでしょう(笑)。そう考えた時に、DSのスペックと「今に置き換える」という部分を考えて、DSの下画面でマップを描くというスタイルになったんです。そのままではないけど、かつて自分たちが楽しめた要素を今風に作り出したわけです。

下画面でマップを描くのはありそうでなかったですね
確かにそうですね。手描きマップのシステムそのものは前任のディレクターのアイデアでして、ただ最初は、そのシステム自体インパクトはあるけど良いか悪いかの判断がなかなか付けられなかったんです。作り手が良くても、果たしてユーザーの人たちがやってくれるかどうか(笑)。それもあって最後まで悩んだところではありますね。
前作と大きく変わっている部分はありますか
1作目が好評を得られたので、基本的に大きくは変えずに得られた部分をブラッシュアップしています。システムやゲーム性を大きく変えてしまうと、1作目を楽しんでくれた人が楽しめなくなってしまうのではないかと思いましたし。当然、より面白くするために改良は加えてありますが「ここが大きく変わりました!」というよりは、同じ遊び方をブラッシュアップして楽しめるようにしました。前作でここを改良したらもっと良くなると思われる部分に特に磨きをかけてます。
職業も前作より増えていますね
自分がもしユーザーだったら当然増やして欲しいし、ほかのキャラクターで遊んでみたいという気持ちがありますからね。ゲーム性だけでいえば必ずしも増やす必要もないのですが、敢えて増やして目新しさが欲しいというのもありました(笑)。
そういえば忍者っていないですよね!?
個人的には忍者は欲しいんですよね、自分も好きですし(笑)。本作で追加職業を考えるときに、「前衛職はなるべく入れない」という自分のルールを作ったんです。というのも、ただでさえ前衛職にはソードマン、ダークハンター、パラディン、ブシドーという4タイプがいて、さらにバード、レンジャーも前衛に置こうと思えば使えます。まあパラディンは役割が少し違いますがソードマン、ブシドー、ダークハンターは、それぞれスキルで差を持たせているけど、基本的には接近戦闘という部分で同じなんですよ。そこへそれ以上の職業を追加しても色々と難しい。職業は違えど、やっていることは同じになってしまうんです。忍者という職業にして、スピードがあってクリティカルが出たら瞬殺できるという味付けにしたとしても、結局はソードマンと同じだよね…ということになってしまうんです。そこに注力するよりも、メディックが1択だったり中衛職、後衛職の選択肢に幅がなかったのでそちらにメスを入れた形ですね。もし今作以降があるとしたら、前衛職を含めて遊びの部分の根本から付け足しをして職業を変えることはできるかもしれませんね。
ちなみに小森氏のお気に入りの職業編成は
新職業を僕が入れないわけにいかないですね(笑)。ガンナー、ドクトルマグス、ペットは薦めておきたいなあ。この3キャラをベースにブシドーを絡めますね。ブシドーは前作以上にクセを強くしてあるんです。ブシドー、すっごく強いですよ(笑)。その反面、すごく脆くて打たれ弱い。ザコ相手ならいいんですけどボス戦になるとどうしようかと思うぐらい脆くて(笑)。そのアンバランスさが好きでブシドーがお気に入りですね。残り1人は好みになりますが、「勝つため」の編成にするならばきっとレンジャーでしょうか。結局またレンジャー強いんですよ。かなり抑えたつもりなんですけどね。でもスキルの楽しさでいえばカースメーカー、ダークハンター、ドクトルマグスを絡ませるのも面白いですよ。ドクトルマグスは楽しいんですけど、冷静に考えた場合、メディックを入れたほうが強いんじゃないかって気分に駆られますね…でもそこは愛で乗り越えてほしい(笑)。
ゲーム全体の難易度はどのように?
表現が難しいですけど、ダンジョンはもちろんシステムで変わっている部分もありますし、難易度は前作と比べて当然変わっています。でもやはり一般的なプレイヤーからしてみると「難しい」かなあ…僕らはそう感じていないのですが。前作も「難しい」という評判をいただいたのですが、多くのユーザーからは、その難易度の高めなところがいいという声も多かったんです。その部分は変わっていないと思います。僕らは決して難しく作っているつもりはないんですけど(笑)。ただ、プレイヤーが考えて戦って勝てるようにしてあって、何も考えずに戦っていると死んでしまうかもしれません。今回は戦闘に「オート」を入れてあるのですが、あれはクエストなどの都合上、かつて行った弱い敵が出る階層を探索しなければならないこともあって、そういう時に楽ができるような意味合いのものです。13階をバリバリ探索している時にオートを使って戦っていたら、きっと速攻で全滅するでしょうね(笑)。1作目を体験している人とそうでない人で印象が違ってきて、1作目を体験した人に同じ難易度で提供すると「簡単だよね」って思われてしまうかもしれないですね。慣れてしまっているとより難しいものを要求しますから。


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